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日々のあわ

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2008年 07月 04日

おかしい

 職場の話です。非常にもやもやしています。

 朝、非常勤の先生が管理職の先生に激怒しているのを聞いて、何事だろう?と思っていました。耳をダンボにして聞いてみると、クラスの学生が病気になり、病院に連れて行くか行かないかという話をしてる様です。そしてその対応について、担任の先生と管理職の先生とで考え方が違うことを、非常勤の先生はとてもとても不満に思っている様子。非常勤の先生は一緒に病院に行きたいと言ってるけど、管理職は日本語ができるんだからついていかなくてもいいじゃないか、と。更には、その学生を今ここに連れて来いとまで言っていました。 ふーん、と思いながら、朝の授業にでかけました。




 その後、たまたま管理職とお昼ご飯を食べ、雑談をしていると朝の話の続きのようなことを話していました。学生が病院に行く際のマニュアルをつくるべきだとか、ここは学校なんだから、そういうことも教えていかないといけない、とかなんとか。更には日本語がある程度出来る学生には、病院の付き添いは必要ない、と。朝の、非常勤の先生の剣幕を知っていたので、今この場で何を言い出すんだ、と思いました。まともに目を見て話せなくて、ずっと下を向いておいしくないご飯を食べました。
 
 ご飯を食べてから、もやもやしてどうにも仕事にならなかったので、その非常勤の先生に事情を聞きました。そしたら、その学生は昼は大丈夫だけど夜になると呼吸もできなくなるくらいだったので、夜救急で病院に行ったけれど、救急ではほとんど治療してもらえなかったから、朝先生に電話で病院に行きたいと相談してきたらしい。で、その話を聞いて、担任をしている非常勤の先生は、症状もだけど精神的に滅入ってるからそっちも心配と、病院への付き添いを午前中に授業のある自分の代わりに管理職にお願いしていたらしい(担任が行けない時に管理職が付き添うのはルール)。でも管理職は色んな言い分を作って、全く動こうとしなかった。それを非常勤の先生が激怒していた、ということがやっと分かりました。


 学生に一番近いクラス担任の先生は、学生にとって一番身近な存在です。毎日会うしね。困ったことや分からないことがあると、日本語以外の問題でも相談に来ます。恋愛相談を受けることもあります。彼らにとって初めての日本が、うちの学校であり、私たち学校の先生な訳です。どこまで受け入れるかというのは難しい話ですが、せめて彼らのことを心から心配する誠意はあってもいいと思うのです。個人としても組織としても。理想を言えば、組織として人のナイーブな部分受け止める役の人がいてもいいと思います。でもそれが、今回のことではっきりしました。以前からそんな気がしていて、話も聞いていましたが、今回のことを私はとても残念に思いました。そして、かなり危険だと感じています。
  
 この話を別の先生にすると、今担当しているコースの過去の学生で、精神的におかしくなり、自殺してしまった学生がいたことを聞きました。兆候はあったらしいのですが、学校として何も働きかけなかったことも原因の1つだったとその先生は言っていました。ショックでした。私が今教えているコースの学生もその可能性を持っている訳です。言葉にならなくて、他の先生がいるのに涙が出そうでした。

 非常勤の先生方は人として至極まともな(普通の?)感覚をお持ちです。悪いことは悪いと言うし、汚いものはきれいにしようとする。だから臭いものに蓋をして組織の利益しか考えていない(ように見える)管理職とぶつかります。専任は、首を切られたり村八分にされるのが怖いからはっきり言えない。見ても、見ぬふりをします。というか、そうしないとやっていけない。ひどいことが余りにも多いから。でも、このままではいつまで経っても古い体制のままです。微妙な違和感が、いつか大きい出来事につながるかもしれません。

 今回の話から、組織として、更には今の日本の日本語教育の危うさを感じました。「学校」として認可を受けているのに、教育機関としての教育が日本語の教育でしかない。「学校」として、機能していない。外国人を相手にしている訳だから、その年齢相応の精神的なサポートも必要だし、異文化適応への対処も必要。なのに今の日本語教育にはそんな流れはほとんどなく、個々人に任されているのが現状です。だから外国人による犯罪が絶えないんだと思います。
 
 CMではないけれど、小さいことでもまずはできることから。
 
 目を見て笑顔で挨拶をします。笑顔はきっと伝わるはず。

by schnarak | 2008-07-04 14:26 | education


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